ゲスト
塩田 明彦さん（映画監督）

「さよならくちびる」

塩田明彦監督が、原案・原作・脚本・監督をつとめられた渾身の音楽映画。
ハルを門脇麦さん、レオを小松菜奈さん、ふたりのローディ・シマを成田凌さんが演じています。

それだけ聞いても、なんてきらきらした映画なんだろう、と思いますが、
ハルレオの歌声を聴くとその独特の世界の広がりにまた驚かされます。
門脇さんも小松さんもほとんど音楽経験がなかったとはまことに信じがたい・・・

この作品は2002年の「害虫」に楽曲を提供したナンバーガールが、
映画の直後に突然解散を発表したということろに端を発し、
17年越しに制作されました。「害虫」・・・好きな映画です。

塩田監督の映画には、いつもはっとさせられる「仕掛け」みたいなものが
あると思うのですが、 今回も映画ならではの仕掛けが随所に。

ハルレオの解散ツアー、ライブハウスのハコからハコへ車で移動する三人、四角い空間の連なり・・・
単調なようでいて、緊張感がだんだんと高まっていくつくりは見事でした。
監督は現場でたくさん「風」を吹かせたのだそうです。

監督の映画術について貴重なお話を伺うことができ、ありがたかったです。
「映画という方法でしか表現できないこと」にとことんこだわりを持っておられる、 すごい監督だと思いました。

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