ゲスト
北原 栄治さん（プロデューサー）
広瀬 奈々子さん（映画監督）

11月都内で行われた「夜明け」の完成披露試写会。
新しい映画が産声をあげる瞬間、私も会場に立ち会うことができました。
満杯になった会場にはキャストも舞台挨拶に駆けつけ、
制作と公開の隙間にある、あの独特な緊張感を味わいました。

広瀬奈々子監督は、是枝裕和監督と西川美和監督の監督助手
（助監督ではなく、現場で監督に意見を言い、相談相手になる役割）をつとめてこられた、「分福」期待の星。
今回がデビュー作となります。

是枝監督は、フランスからのビデオメッセージのなかで、
「人間をちゃんと描く覚悟のある映画」と本作を評されました。

そして主演は、是枝監督の『誰も知らない』でカンヌ史上最年少の主演男優賞を受賞した柳楽優弥さん。
是枝さんのもとで育った、同年代の監督と俳優が挑む新しい作品です。

映画は、夜明けのシーンで幕をあけました。
順撮りにこだわられたとのことですが、このシーンから撮り始めるって
勇気が要っただろうな・・・と思わせる印象的な場面。
色彩がとてもきれいで、哀しいシーンでした。

柳楽さんは幅広い役柄をこなしておられますが、
やっぱり本作のシンイチのような陰のある役は本当に似合っていて、素晴らしかったです。
難しい役であったと想像します。

そして小林薫さん。
距離を測りあっていた二人が、近づき、ふれあい、ぶつかる瞬間、
互いの立場が不意に逆転するようなスリリングな展開があります。
傷をかかえ、互いを愛しく思いながらも、うまく愛せない…
繊細で複雑な関係が、映画には淡々と描かれていました。

今回は広瀬監督と北原プロデューサーにおゲストにおいでいただきました。

「分福」という制作者集団とはなにか？是枝監督の演出術、お人柄などについても、
身近でながく一緒に仕事をしてこられたからこそわかるような貴重なお話を伺うことができました。

映画づくりっておもしろいですね！

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