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2015.04.04
近衛 はな シネマ倶楽部

新作映画紹介 「白河夜船(しらかわよふね)」

新作映画紹介 「白河夜船(しらかわよふね)」

ゲスト
若木 信吾さん(映像監督・写真家)

 

「白河夜船」

若木信吾監督にお話を伺いました。

吉本ばななさんの原作はずいぶん以前に読んで印象に残っていました。
今回映画を見て驚いたのは、小説のなかの人々が
そのまま生身の人間になって映像のなかに現れたように感じられたことです。

話す言葉、テンポ、空気感……
小説を読んでいるとすらすらと入ってきて、
様々想像させてくれる小説の世界が
スクリーンに視覚的に映し出されるのを見るというのは、面白い体験でした。

それがなんとも心地よく、切なく、胸に響いてきました。
出演者の方々と監督の間の信頼関係が、
きっとこの密なる映画を生んだのだろうと思います。

私がとくべつ好きだったのは中華料理屋さんのシーンです。
閑かに、とてもしずかに、食事がすすんでいく。
そのなかで人の感情が動いているようすが、
カメラワークの妙によって写し取られています。
素敵なシーンだと思いました。

若木さんは、数々の映画の現場で写真を撮ってこられたカメラマンです。
ご家族や幼馴染の写真も撮り続けていらっしゃいます。

そしてエッセイを書かれたり、出版をされたり、
浜松で本屋さんもなさっています。
今回は映画のことだけでなく、
若木さんのライフスタイルや世界観についても伺いました。

現代って、映画でもアートの業界でも、
メジャー路線のものとマイナー路線のものが暗黙裡に住み別けられていて、
なんとなく、お互いを犬猿している雰囲気があるように感じます。

そういうのって窮屈だなぁとよく思うのですが、
若木さんというは、そんな枠をかるがると踏み越えていかれる。

原点(帰る場所)への思い、優しく、
つよい信念に貫かれたお人柄にふれ、 なるほどと思いました。

 

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