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2013.05.04
近衛 はな シネマ倶楽部

新作映画紹介 木下惠介生誕100年記念映画「はじまりのみち」

新作映画紹介「はじまりのみち」

ゲスト
●原 恵一さん(映画監督)
●新垣 弘隆さん(プロデューサー)

 

木下恵介監督、映画監督としてのデビューは、1943年「花咲く港」。

この年、黒澤明監督も「姿三四郎」でデビューし、
ふたりは揃って新人監督に与えられる賞を受けました。

以降、日本映画界を牽引してきたふたりの巨匠・・・・・・にもかかわらず!

私はこれまで木下作品は「二十四の瞳」くらいしか、みたことがなかったのです。

今回、木下監督の映画をいろいろとみてみて、驚いたのは、
とても斬新で実験的な作品が含まれているということ。

なかでも、「永遠の人」。これはすごい作品でした。

高峯秀子さんと仲代達矢さん、夫婦が、徹底的に憎しみあうお話です。
音楽の意外性にもびっくり。

それから、「野菊の如き君なりき」。
政夫と民子の恋物語。シンプルなストーリー。
涙なしには観られません。

民子を演じた有田紀子さんは、スクリーンのなかだけに咲く野菊のように、可憐なひとです。

「木下監督は、”ほんとうの人間”を描こうとした、そして人を幸せにしようとした」
というお話がありました。
作品をみていて、私もそう感じました。

そして木下作品には、当時の人が美しいと思っていた生き方、
時代の理想みたいなものが、濃厚にうつしとられているような気もしました。

木下恵介監督生誕100年を記念した映画「はじまりのみち」、
この映画の完成を機に、多くの方が木下作品を見直して下さったら、と思います。

 

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