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2014.02.01
近衛 はな シネマ倶楽部

新作映画紹介 「家路」

新作映画紹介 「家路」

ゲスト
●久保田 直さん(映画監督)
●青木 研次さん(脚本家)

 

『家路』。福島を舞台とした劇映画です。

震災後、「フィクションは力を失った」という言われ方をしたことがあります。
「現実のほうが圧倒的」と。でも、この映画を観て思いました。
やっぱりフィクションだからこそ伝わってくる人間のリアリティがある、と。

監督は、これまでずっとドキュメンタリーで、
「家族」というテーマを追い続けてきた久保田直さん。
どうして今回、福島を舞台にフィクションの映画を撮ろうと思われたのか……。

劇映画とドキュメンタリー、それぞれにできることとできないことがあり、
両者が出会ったからこそひらかれた新境地がある、
お話を伺っていて、そんなことを思いました。

脚本は、「いつか読書する日」の青木研次さん。
青木さんの書かれる台詞は、 さりげなく、不意に胸に迫りどきっとさせられます。
劇中の人物がどのように誕生していったのか、
彼らがどのようにして喋りだし、物語を紡ぎだしたのか……
興味深いお話でした。

福島の状況をなぞるのではなく、
人間だれしもが感じうる様々な感情を、
「人間」そのものに迫っていく仕方で表現している、
だから福島の人々の気持ちが、 じかに胸にひびいてくる。

『家路』は、新鮮な驚きのある作品です。
俳優さんたちの演技も「演技」の枠をはみ出してリアル。
そして福島の自然の美しさ……。

今日の日本でこういう映画がつくられるというのは、
日本映画界にとって大きな希望だなと思います。
『家路』はベルリン国際映画祭へ正式出品が決まってます。
多くの方に観ていただけますように。

 

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